2022.10.1 オンラインフェス2022"RAINBOW"③

ミッドアウトオンラインフェス

"RAINBOW"特別ブログ小説

『虹架人閃』

最終話  虹を見たかい?

 

 

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煌びやかなオンラインドームのステージ

スポットライトを浴びるのは

ごうりんとチャーマス

ミッドナイトゲットアウトのメインを張る

看板スター2人。

 

 

さあ、ミッドアウトオンラインフェス2022

"RAINBOW"最初のゲストはこの人!

 

ラジオのカリスマZiKUーーーーーーーーーー!!!

 

 

 

 

扉が開くが、そこには誰もいない。

 

 

あれ?おかしいな

ごうりんチャーマスはもちろん

観客達の頭にハテナマーク。

ざわつき始める。

スタッフが慌てているのがわかる。

インカムが飛んできて、それが聞こえた

 

 

「ZiKUさんいません」

 

 

 

SkypeスタンバイルームにZiKUさんの姿がない

なんらかのエラーか!?

どこだ!?

ジクさんはどこにいるんだ!??

平成を保とうとするミッドアウトの2人の

顔もこわばっている。

 

そんな時かすかに声が聞こえた。

ZiKUさんのものだとすぐにわかった。

 

そっち向かってっから!

 

登場するはずのSkypeルームの前ではなく

LINEルーム前に待機していたというのだ。

スタッフとの連携ミス。

LINEルームからSkypeルームへは走っても5分、いや10分はかかる。

 

スクリーンには足を引き摺りながら

走るZiKUさんの姿。

観客席からはサライの大合唱が。

 

感動に涙するものも多かっただろう。

 

やがてZiKUさんが登場。

会場は割れんばかり拍手に包まれる。

抱き合う3人。

 

普通なら、このミスを責めるボケの一つや二つ言いたくなる場面だ。しかしZiKUさんは嫌味ひとつ言わず2人をトークで抱きしめた。

 

これがラジオ皇帝の器。

 

逆によかったわ。

 

 

そんなはずはないのに彼は

感謝すらする姿勢を見せる。

そして3人でのトークセッションが始まる。

 

 

ごうりんはZiKUさんのTwitterでの発言をいじり始める。

ミスした側のとる態度ではないが

そこはさすがごうりん、人の懐にどんどん入る

横柄さがある。

 

その失礼ないじりにも真摯に、そして面白さを増幅するように返す皇帝。

 

 

そこですかさずチャーマスが追撃のように

Twitterをまた引用し話し始める。

 

チャーマスのこのギアの上げ方、前のものに乗っけてさらに大きくしていくトークのM&A力はとんでもない。

 

さらにそれをZiKUさんがツッコミ

大きな笑いにしていく。

 

気がつけば冒頭のミスの雰囲気中からもない

新曲の弾き語り、そして無茶振りの私物プレゼント企画。完璧な流れでZiKUさんの出番は幕を閉じた。

 

嵐の船出だった。

空は雨雲に覆われ

海は荒れ模様。

 

しかしそこに一筋の光が差した。

赤色の光。

まだ弱々しいが

しかし暗闇を照らすには十分な希望の光だ。

強く運命を切り開く勇気の出る色だった。

 

 

いやぁさすがすごかったねジックンは。

そんなことをごうりんチャーマスが

話していると

 

ピアノの音色が耳をつんざいた。

 

オンラインドームにいたはずの2人と観客が

急にスーパーのような場所にワープさせられた。

 

ここは!?

 

ラッセだいわ!?

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そしてピアノの音色が止まると

 

また皆、オンラインフェスドームへと戻った。

 

この現象は一体

 

 

 

奥からピアノを肩に担いで現れた男

そう、彼こそが2人目のゲスト

 

山元じゅんやだった。

 

 

君の仕業だったか、どうりで

 

 

ああ、まるで本当にプラッセだいわに

いるかのようだった。

 

 

ああ、すごいね。

 

 

いえ、僕は大したことはないです。

ただ凄いのは音楽の力なんでしょうね。

 

 

そういうと彼はまた別の曲を奏で始めた。

 

 

そして景色がドームから変わっていく

 

 

ここは!?

 

見覚えがある

 

ここは、そうだタイヨーだ!

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100均市のテーマ、タイヨーのうた

 

 

 

まだまだ行きますよ、それ

 

 

曲調が変わるとともに景色も変わる

次はどこだ。

 

ここは

山形屋

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鹿児島人の耳に馴染む旋律。

あの日あの時の買い物の記憶

母に手を引かれ、

チョコボールやフーセンガムを買ってとねだったあの日

 

 

会場にいる誰もが、じゅんやくんが作り出した

世界の中に包まれていた。

 

 

関東生活の長いチャーマスは

鹿児島のスーパーのことはとっくに

忘れていた。これは冷たいとか

そういうことではない。

今を生きるものの生きるための術なのだ。

 

 

だか、そんなチャーマスをも

じゅんやくんのピアノの旋律が

包み込んだ。

 

あぁ、おれは昔、ここに行ってたわ

 

距離も、時をも超えるじゅんやくんのピアノ。

 

 

なべしまも弾いて!

 

 

志布志大黒弾いて!

 

 

完全に観客の心を掴んだじゅんやくんの周りには人だかりが。

もう皆、じゅんやくんの虜だった。

 

 

無茶振りの私物プレゼントコーナーでも

そのサービス精神を大いに発揮した。

 

 

そんななか、次に演奏された旋律。

その旋律が連れて行ったのはスーパーやデパートではなかった。

荒野に幻光虫、じめんに突き刺さった武器

そして焚き火

 

ザナルカンドだ。

 

 

俺たち、そんな遠くない過去に、ここにいたよな。

 

急遽復活のニシゾノティーダ。これにはリスナー達も涙を流して喜んだ。

 

そして僕たちは久しぶりに再開する心の中のニシゾノティーダと再開を果たす。

 

いつまでも、この時間が続けばいい

誰もがそう思ったことだろう。

 

 

だが、そうはいかない。

また必ずきますから、会えますから。

 

 

じゅんやくんはそう笑顔で言い残し

去って行った。

 

 

かすかな雲の切れ間からオレンジ色の光がさす。

だれも置いてけぼりにしない、焚き火のような

暖かな色だった。

 

 

 

すごかったな。

ああ、とんでもない才能を持った男だ。

 

 

そんな話を2人がしていたその時

 

ドーム天井部から

ワイヤーで吊られた覆面姿の男が降りてきた。

 

 

ライトに照らされ、派手な衣装がキラキラと

輝いている。

 

BGMは"できっこないをやらなくちゃ"

 

FMさつませんだいの殿堂入り永久欠番

社歌である。

 

高笑いする覆面の男。

そのド派手な演出。

 

しかし、2人は一切気づかない。

 

 

今度また来てもらおうよじゅんやくん

 

ああ、必ず。その時はまた

ニシゾノティーダ復活だな。

 

だな。

 

2人どころか

観客も気づいていない。

 

 

やがて、覆面の男は地面へと着地。

 

突如現れた覆面の男に驚く2人。

 

 

 

えっ、なんですか??

 

マスクドFMさつませんだいだ。

 

警備員さん、つまみ出してください

 

いやいや違う違う、マスクドFMさつませんだいってほら、ゲストの

 

 

楠元さん?

 

 

いやいや、ちがうし。

ちげぇし、逆だし。真逆の存在だし。

 

 

え?でも声が似てるけどなぁ

 

 

違…

 

 

 

そのとき、宙吊りにするためのワイヤーが巻き取られ始める。

しかし、まだマスクドFMさつませんだいの体にワイヤーはついたままだ。

 

このままではまた宙吊りになってしまう!

 

 

そう思ったマスクドFMさつませんだいは

少しだけ足を踏ん張った

 

 

その時であった

 

 

 

ワイヤーに引っ張られた衣装、覆面、マント

全てが破れ

そこにはブリーフ一丁姿の楠元さんが立っていた。

 

 

楠元さん、帰ってきてくれたんですね。

 

 

やってるみたいだな、"できっこない"を

 

 

はい。楠元さんのおかげです。

 

 

ふふ、皆いい目になった。

やっていこうぞ、"できっこない"をもっとだ!!

 

 

 

 

 

楠元さんの感動のスピーチに客席からは

大きな拍手が送られる。

 

皆、心のマスクを取ってみたらいい。

怖いよね?

でも大丈夫。

マスクが取れて開けた視界には

仲間達がたくさん

いてくれるから。

 

 

暗雲立ち込める雲の切れ間から

蒼色の光が差し込んだ。

気高く、静かで、なんだか落ち着く光の色だ。

 

いやぁ、すごかったね楠元さん。

 

さすがだったね。

 

 

楠元さんの余韻たっぷりに会場が包まれている中

急に舞台の照明が消える。

 

なんだ、なにかまたトラブル?!

 

 

客席の観客の頭をそんな思いがよぎったその時

 

 

また明かりがついた。

 

 

なんだったんだ??

大丈夫だったか?

 

そう話すチャーマスの背後に黒い影が。

 

 

 

お、おい、マサト、後ろ!!!

 

 

ごうりんが叫ぶ。

 

 

え??なになに??

 

 

チャーマスが振り返る

 

 

しかしそこには何もいない。

 

 

何もいないじゃな…はっ!!!

ごうりん!!!

後ろ!!!

 

 

先程までチャーマスの背後にいたはずの影は

ごうりんの背後に回り込んでいた。

 

 

なんのことかさっぱりなごうりん。

後ろを振り返ると

そこには何もいない。

木の葉がひらりと落ちてくるだけ。

 

 

何もいないじゃな…まっ、マサト!!!

 

 

 

ごうりんの後ろにいたはずの影が

チャーマスの背後に回り込んでいた。

 

 

 

後ろだよ!後ろだ!!

 

 

えっ?

 

素っ頓狂な声を上げるチャーマス。

 

 

後ろ?

 

振り返ると、何もいない。

ほのかに紅葉した葉っぱがひらりと舞うだけ

 

 

 

 

何もいないじゃないか、いや、待て!ごうりん後ろ!!!

 

 

 

 

このやりとりを何度しただろうか。

10分、いや、20分。

終わらないかもしれない

ループの世界観に入ってしまったのか

それともゲームスイッチをオンに

するのを忘れてしまったため

永遠にこのイベントは繰り返されるのか。

 

 

 

素早く背後に回り込む、その影の主は

次のゲスト、前田晃希であった。

 

やっとのかとその実態を捉えたごうりんとチャーマス。

 

 

そこからやっとトークに。

体の俊敏さとは裏腹に

トークのトーンは穏やかに、のんびりとしたものだった。

 

 

ごうさんは自分から誘わない

自分が剛さんを誘って欲しい。

 

友達がいない。

 

 

24歳の男の語るその内容は実に素朴で

しかし彼の人柄を表してるとしか言いようがない

とても正直でまっすぐな嘘のないものだった。

 

 

誰もが心を洗われた時間だっただろう。

あたかも自分が大学生や新社会人一年生だった頃にタイムスリップしたような。

 

 

そんなかけがえのない時間をすごし

前田くんは去っていった。

 

 

暗雲立ち込める雲の切れ間から

緑色の光が差し込んだ。

柔らかく、力強い、大自然のような色だった。

 

 

去り際は縮地を使わず、ゆっくりと去っていた。

 

 

 

 

ここで休憩が入る。

 

 

 

前半戦のこのボリュームに観客達は大満足。

もう帰ってもいいかもしれない

そう思った人もいたことだろう。

 

しかし、ネクストバッターズサークルに現れた

中村千尋の姿を見るまでは、ね。

 

 

 

 

観客席に大きな横断幕。

ちーさまLOVEの文字。

野太い男性ファンからの声援が飛びかう

 

 

早くちーさまをだせ!

その声援に後押しさせるように

後半戦のゴングが鳴った。

 

 

ごうりんとチャーマスがステージへ

再び顔を出す。

 

 

そして中村千尋さん降臨。

 

 

沸き立つミッドアウトオンラインドーム

 

 

ひごさつまの2人、結成前出会ったばかりの頃は仲悪かった話は有名な話。

 

その詳細が2人の方から語られる。

 

その当時、エビオス錠というビール酵母の錠剤を持ち歩いていたごうりんのエビオス錠を見て

中村さんが仲良くなろうと思って

『それ精子増やす薬ですよね』

と言ったとか言わなかったとか

(中村さんはそんなあからさまな単語使わないと言っていたが、ごうりん的にはそう言ってた気がするとのこと)

 

 

昔話にも花が咲き大いに盛り上がるトーク

 

 

しかし観客席からヤジが飛ぶ。

 

 

私物プレゼントコーナーはよ!

 

 

そうでした。私物プレゼントコーナーの話へ。

チャーマスがすかさず歯ブラシください、と攻める。さすがはミスター攻撃表示。

 

歯ブラシはいらないです、とコメントで強がるちひらー。本当は喉から手が出るほど欲しかったはず。

 

色々案は出たが

私物サイン入りピックで落ち着いた。

 

男性からも女性からも愛される中村さんの

その人柄の良さに会場の全ての人からの

ちひろコールが鳴り止まない。

 

舞台から帰る際

マイクを通さず生声で

 

『ありがとうございました』

 

と言った中村千尋の声は

きっと皆に届いたことだろう。

 

 

 

 

いやぁ、すごかったね。

中村さんの人柄がたっぷり詰まった時間だったね。

 

 

暗雲立ち込める雲の切れ間から

黄色の光が差し込んだ。

全ての人に希望を与える、優しい色だった。

 

 

やっぱりちーさますごいね。

ああ、すごかった。

 

 

大きな横断幕をたたみ、出口から出ていこうとするちひらーをミッドアウターたちが阻む。

 

 

グッジョブ!

ステージ上からふたりがミッドアウターへ

密かにウインクでエールを送った。

 

 

そんな中、ミューズアップのジングルが流れる。

奥から現れたのはマイクを持った

前畠俊二だった。

 

そのとてつもない声量、聞き取りやすさ

その二つをかね揃えた確固たるアナウンサーボイスが

 

2人の体を吹き飛ばす。

壁にめり込むように叩きつけられた2人。

 

 

これがFM鹿児島でならしたトーク力か。

 

 

おもしれぇじゃん。

 

 

これで終わる2人じゃない。

 

 

ごうりんがまず飛びかかる。

そして練り込んだチャクラと共に

言霊を飛ばす。

言霊丸だ。

 

 

ほう、これは触れるのは得策ではないな。

歴戦のトークで鍛えられた強者の勘が

前畠の体を動かす。

防御ではなく、上に飛んでかわす。

 

 

すかさずそこにチャーマスが構えた。

 

 

だてに拳皇やってねぇんだよなァ

ごっそさん!!

 

 

 

チャーマスの凄まじいトークオーラを纏った一撃が空中で自由のきかない前畠を襲う。

 

 

手応えあり。

 

 

 

しかし、立ち上がる前畠。

 

 

少し、手加減しすぎていた、失礼。

ここからは本気で相手させてもらおう。

 

 

覚醒する話術(ミューズ・アップ)

 

前畠が構える

 

左手にどんぶりを

右手に割り箸を持つように見えるこの構え

 

 

 

これはただでは済まない。

2人の勘が頭の中でアラートを鳴らしていた。

 

 

 

しかし2人はわかっていた。

 

 

次の一撃が最後になる、と。

 

そして、立っていた方がラジオ皇だ、と。

 

 

 

やれるか?

 

チャーマスがごうりんに目配せする

 

 

やるしかないだろ

 

ごうりんがチャーマスに目配せする

 

 

 

 

 

真夜中二人脚砲撃波

(ミッドナイト・ゲットアウト・スマッシュ)

 

 

 

 

 

 

大きな衝撃がミッドアウトドームを包んだ。

瓦礫の中から顔を出したのは

 

 

 

前畠であった。

 

 

 

「ずるいよな、2人、か。

ごうりん、いい仲間を持った…な…」

 

 

 

倒れる前畠

 

 

 

 

そして奥の瓦礫を押し除け

立ち上がったごうりん、チャーマス

 

 

 

 

湧き上がる観客。

 

 

 

そして2人が叫ぶ

 

 

 

 

 

 

 

『引き分けだ!!!!』

 

 

 

 

 

なっ??今なんて??

静まり返る会場。

 

 

俺たちは2人がかりだった。

前畠さん、この勝負、引き分けだわ。

 

 

瓦礫に埋もれた前畠の手を取り、立ち上がらせる2人。

 

 

「生意気な、ふっ、ミッドナイトゲットアウト

その名を心に刻もう。」

 

 

3人の男の熱い抱擁に

 

会場からは大きな歓声が上がる。

泣いていた人もいたかもしれない。

 

 

前畠さんとの激闘を終え

またひとつ大きくなった2人。

 

 

暗雲立ち込めていた夜空の雲の切れ間に

水色の光が差し込む。

爽やかで、清らかな光だった。

 

 

 

 

あと1人、ここまで長かったな。

よく、やってこれたよ。

 

 

労う2人とリスナーの皆。

 

 

しかしみんなは知らなかったのである。

ここからが本当に長いことを。

 

 

 

ラスト大トリゲスト、大田誠師!

 

 

とアナウンスがされるものの、大田さんは出てこない。

卑猥な言葉の言い過ぎで警備員に摘み出されたのか、それとも酒の飲み過ぎで、どこかで寝ているのだろうか。

しかし、かすかに大田さんの声が聞こえる気はする。

 

 

 

大田さんはどこだ?

焦っていたのは2人だけではなかった。

 

みんながドームを出て大田さんを探す。

西荻窪の飲み屋、赤い鼻、最後に笑え、三四郎、ラーメン大、西屋、ヤンキー、富士音響、探してみたが見つからない。

 

 

本当に長い時間が流れた。

大田さんなどいなかった。

何度もそんな言葉を飲み込んだ。

 

虹は六色だった。

誰もが言いかけていた。

 

 

諦めかけ、ピンマイクを外し

前室でタバコを吸っていた2人とスタッフ。

 

総指揮の木村に至っては子の調子が悪い、と自宅に帰っていた。

 

 

そんななか、ひょっこり大田誠師がステージに現れた。

 

 

あまりに急な登場に皆戸惑いがあったが

すぐに状況を飲み込み、大きな拍手で迎えた。

2人もステージに顔を出す。

 

ビールを傾けながら、憎まれ口叩く太田さんの尖った口。訛った言葉。

 

放送の中でごうりんがふと放った

 

肛門の医者

 

というワードを気に入り連発。

パワー下ネタワードを次々に放り込む大田さん

 

待っただけのかいがあったな。

自宅から子を抱きしめ、木村がつぶやいた。

 

 

 

 

大田さんによる歌唱も行われ

 

 

最後の紫色の光が空から差し込んだ。

 

 

その刹那

 

赤、オレンジ、黄色、緑、水色、青、紫

 

 

全ての光が青空の暗雲を全て消し飛ばした。

 

 

先程までの暗雲が嘘のようだった。

 

大きなミスも小さなミスも誤算も計算外のトラブルも天災も思い違いも

 

 

全てのことをかがやきに変えた

 

 

夜空に虹がかかったのである。

 

 

 

 

 

360°大きく天井の空いた

ミッドアウトオンラインドーム

この奇跡のような光景に皆

涙し、そして拍手を送る。

最大限のスタンディングオベーションを送った。

 

 

 

ここで、ごうりんがギターを取り出す。

 

マイクを構えるチャーマス。

 

 

 

最後の最後に奏でられたのは

RAINBOWと名付けられた

新曲だった。

 

人間讃歌

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間違い讃歌

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失敗讃歌。

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雨の後にはね

虹が出るんだよ。

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逆に言えば

雨が降らないと虹は出ないんだ。

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みんな、今日間違えたかい?失敗したかい?

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恥ずかしかったね、悔しかったね、情けなかったね。

君の垂らしたその涙も鼻水も涎も糧にして

 

ほら、虹が出てる。

 

見えるかい?

 

 

 

 

悲しい時、辛い時

いつも僕はあなたに問いかけるとするよ。

 

 

 

『虹を見たかい?』

 

 

 

 

 

 

『RAINBOW』

作詞 レインボウ里崎

作曲 レイン・山際・ボッシュティッシュ

 


嘘とも言い切れないが
本当とも少し違う
まるで虹みたいね
境目がぼやけてる

 

強くは言い切れないが
妙に確信めいてる
まるで虹みたいね
触れられないけどそこにあるの

 

君の声、久しぶりに聞いた
なんだかホッとするね

 

この音色
心の色
繋いでよ
ねえレインボウ
今日が昨日に
昨日が過去に
また会わせてよ
ねえレインボウ


君のうた、久しぶりに聞けた
相変わらず素敵だね
調子はどう?
変わったこと
変わらないこと
なんだかたくましく見えるね

 

この音色
心の色
離れてても
大丈夫きっと
今日が昨日に
昨日が過去に
また会いたいよ
ねえレインボウ

あの頃
いつかの表情
不思議とまだ
思い出すよ
途切れていいよ
忘れていいよ
また繋がるよ
ねえレインボウ